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思いついたこと・感じたこと・気になったこと・どうでもいいこと。
 

 

 
読書に弾みがついたので、この前発掘した本を読みました。
ブログ検索にて、「ハッピーバースデイ 新井素子 あらすじ」というのがあったので、その回答も兼ねて。



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夫に依存気味の主人公・後藤あきら。
インタビュー記事などを中心に、フリーライターをしている彼女は、結婚をキッカケにして、編集者の夫に以前から言われていた「小説を書くべきだ」の言葉通りに、一本の小説を書き上げる。
賛否両論の結果、見事に新人賞を獲得した「悟藤茗」(あきらのPN)は今、幸福の絶頂にいた。
所変わって、一人の浪人生がいる。
地元では神童と称されていた彼・市原裕司は、受験当日、慣れない東京の人込みと空気に負けて体調を崩し、受験に失敗。実家から畳み掛けるようにかかってくる、子離れできていない母親の「帰って来い」攻撃と愚痴に、うんざりする毎日を送っている。
そんなある日、近所の喫茶店。昼食を取る彼の後ろの席で、悟藤茗がインタビューを受けていた。
夫の話ばかりをする彼女の話を聞いていて、ひそかに憧れていた作家という職業にこんなバカがなれること、そしてそのバカは自分が受験することすらできなかった滑り止めだった大学の出身であることを知り、苛立ちを感じる。
悟藤茗が、彼のアパートの日照権を妨害するように建っている、付近ではちょっと高級っぽいマンションに住んでいることを知り、鬱屈が溜まった彼の取った行動はひとつだった。

それから、あきらの元には、いらずら電話や手紙がやってくるようになる。

「ゴトウメイ イイキニナルナヨ」


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あらすじると、ざっとこんな感じでしょうか。
ジャンルは、ホラーかな。サイコホラーっぽい感じ。
あのね、恐いんですよこの話。
なーんだ、ありがちじゃーんとか思われそうな設定ですが、この「恐さ」っていうのは、「わけのわからない誰か」に対する恐さじゃないんです。もっと切羽詰った、精神的な圧迫というか。
何らかの形で、「創作活動」というものをしている方ならきっとわかるはず。

想像してみてください。
 

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文章でも絵でも、なんでもいいです。なにか一つの創作物を、サイトにUPしたとしましょう。
それに対して、感想を頂きました。嬉しい感想です。
素直に喜びますね。
そうこうしていると、他にもそれを評価してくれる人が現れました。
ますます嬉しいですね。
ありがとうございますありがとうございます。嬉しくてそんなコメントを返してみたり、お礼を述べてみたりしたとしましょう。
そんな時、こんなメッセージがくるんです。





いい気になるなよ。







恐いでしょ!?
ってか、凹むでしょ!!
冷水浴びせられた気分になるでしょー!!

一回だけじゃないんですよ。
一回こっきりだったらまあ、凹みはすれどそのうちに流れていくものですよ。そんな程度でくじけてたら、人間生きてなんていけませんから。
日を置いてさ。何度となく来るわけですよ。
一週間ごととか、不定期にぽつんと「いい気になるなよ」ですよ。
自サイトだけじゃなく、他所のサイトで例えばコメントしたことだとか、日記で何気なく呟いてみたりしたこととか。
そういうこともいちいちねちっこくさ、「○○さんの所で、こんなこと言ってましたよね」とか、揚げ足取るようなこと言っては、「いい気になるなよ……」ってさげすまれるんですよ。

恐くないですか?

ってか恐いやろ。
やっとれんやろ!?


この話を読んで、私はそういう「恐さ」を感じました。
もしも自分がそんな目に合ったとしたら、一気に凹むわ。もう即座に(サイトの)入口閉じるわ。日記へのリンクも貼らんと沈むわーーー(震)

この不安にも似た恐怖は、創作をしている人だけに限らないと思うんです。
学生さんとかだって一緒ですよ。
自分がやったことについて、学校内でなんらかの評価を得たとしましょうよ。
クラスメイトだけでなく、他のクラスの人にも名前を知られてしまうぐらいの何かがあったとしましょう。
こういうのは「学校」の方があからさまに多いんじゃないでしょうか。
つまり、嫉妬と羨望。その果てにあるのは中傷です。
やっかみ半分、妬ましいという感情は、時に人を攻撃的にします。対象にいる人のことなんて考えもしません。特に子供は、「世間一般の考え方」として、どんなにわかっているつもりでも、やっぱりどこかで「自分が中心」ですから。誰でもある程度はそうだと思うけど、やっぱりね人間「自分が大事」なんですよ。自分がっていうか、「自分の心」が。嫌な気分になったり苦しかったるするのが嫌だから、それを緩和させるために誰かを攻撃して、ウサ晴らしをするわけです。
そういうことを直接的に行うか、心にだけ留めて実行には移さないのか。
まあ、今の「いじめ」問題についてあーだこーだ論じるつもりはありませんけど、「どっちかが悪い」って、それだけで済む問題じゃないんですよね、こういうのって。白黒はっきりつく問題じゃないのに、答えを見出そうとしている方がおかしいと思ったりするんですが、どうなんでしょうね。


閑話休題。

話を元に戻しますが、あきらの元へ来る「嫌がらせ」は、毎日じゃないんです。一週間とか二週間とか、それぐらいの頻度でくるのでタチが悪いです。
嫌がらせの張本人である裕司は、彼女の部屋が見てとれる場所に住んでいるので、「何時に寝た」とか「○○を買っていたな」とか、そんな情報も入手できてしまうわけで、だからこそ余計に怯えて、あきらは外へ出ることすら出来なくなっていくのです。
嫌がらせ電話が、いつもよりも少しばかり過剰で数が多かったクリスマスの日。あきらの運命が変わります。
これを云うとネタバレになるので、今後読む人が万が一にもいらっしゃったら悪いので、書きませんけどー。

ほんのちょっとしたウサ晴らし的な電話。裕司にとっては、そんな程度の軽い気持ちの電話だったけど、そんな「なんでもないちょっとした」ことが糸口となって、歯車が狂い始めて崩壊する。
そんなことって、実は私たちの日常にもあるのかもしれない。
そう思うと、ぞわっとします。怖い。

二章からは、裕司側の視点に切り替わるのですが、それまでの重い雰囲気が跡形もなく消え去ったような冒頭で始まるのが、なんかさらに恐い。
──まあ、一気に突き落とされるんですが。
タイトルの「ハッピー・バースデイ」の意味は、何なのか。
あきらが施した「ハッピーバースデイ計画」が判明したとき、「こ、恐ぇぇー。こいつ恐ぇぇー」って思いました。
そもそもこの主人公、ちょっと変わってるんですよ……。

新井素子さんの本を読んだことある人ならわかると思うのですが、この方の文章って独特ですよね(これが俗に言う「素子節」っていうやつなのか)
だから、嫌いな人は受付けないと思うんですが、ここまで独自性のある書き方が出来るってことは尊敬に値するので、私はあまり気にならない。好きか嫌いかと問われたら、別に好きってわけじゃないけど(笑)
こういうネタって書きようによっては、もっと「サスペンス」っぽい雰囲気になると思うんですが、この方が書くと、「一見日常っぽいけど、どこか狂ってる不気味さ」みたいなもんが滲んできて、そういう意味で恐い気がする。
そう。恐いっていうか、不気味なんですよ。
終わり方もね、ちょっと不気味です。ある意味恐いんです。
その気持ち悪さがなんかクセになる、そんな一冊です。


でも、新井素子さんで一番好きなのは、「くますけと一緒に」だったりする。
初めて読んだのは高二ぐらいだったと思うのですが、それ以降も、読むたびにボロ泣きします(笑)
切ないんだよぅ。でもすっごいあったかいんだよぅ。
私、とことん「家族ネタ」に弱いらしい。
男女間の恋愛感情の話より、断然、「近しい人に対する友愛や親愛の情」に溢れた話の方が好きなんよねぇ。

 

 

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彩瀬あいり

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